2016年11月27日
この映画の「イム シワン」はまねのできる人間は少ないであろう彼ならではの輝きを魅せた。「イム シワン」が演じるのは大衆食堂の息子ジヌ。1980年軍事政権下の韓国。普通の大学生活を送っていたジヌは不当に逮捕され目を覆いたくなるような体罰、拷問を受ける。華奢なシワンが受けるひどい仕打ちに悪役の俳優もファンに恨まれそう⁉
この物語は第16代大韓民国の大統領を務めたノ ムヒョンの弁護士時代を描いた映画です。
ノ ムヒョンは弁護士を始めたころは不動産屋租税関連の訴訟を専門とし趣味はヨットという稼ぎのいいブルジョア弁護士をしていました。いろいろな弁護士の仕事をしていく中で政治・社会問題へのかかわりを深めていくようになり、後年は人権派弁護士へと転身しますが他人の要請ではなく人が普通に持つ常識や良心からであったといいます。
そしてこの映画の中でイム シワンが演じた「拷問され足の爪が真っ黒になった学生」を見て憤りと怒りを感じたことがきっかけだそうです。
そしてこの役を「天上の俳優」「韓国映画界を背負う名優」と称されるソン・ガンホが演じました。
イム シワンは見事な拷問シーンを演じました。殴られる、蹴られるは当たり前。
身体を折られ鉄棒に吊るされたり水の中に顔を沈められおぼれそうになったり…。
その顔は次第に青ざめ頬はこけぼろきれの様になっていきます。
何よりもショックだったのは続けられる拷問の中で狂ったように同じ言葉を繰り返すだけに
なってしまうということ。イム シワンはそういった演技も見事にこなしていました。
終盤、イム シワン演じるジヌに拷問シーンを見たという証人が表れますが軍の人間だったため
軍の規則を瞑目に逮捕されてしまうのです。
この証言は取り消されジヌと同じ冤罪を着せられた学生たちにも懲役刑が課せられてしまった
のです。
冤罪が晴れることはなく国家勢力に屈してしまったという残念な結果でした。
イム シワンファンとしては彼の演技力、繊細で美しい容姿に溜息な映画でした。
容疑者として被告席に座らされていた学生たちの中でもひときわ輝いて見えました。
イム シワンという人は守ってあげたいと思わせる母性本能をくすぐる俳優さんですね?
不謹慎で申し訳ありません。
映画を観終わって出てくると某有名雑誌の記者さんに「雑誌『○○』の記者ですがアンケートに答えてもらってよろしいですか?この映画点数をつけるとしたら何点ですか?」と聞かれました。
個人的には「イム シワン」君の演技にくぎ付けだったのですが最後のシーンがちょっと?こともあり、
「85点です」と答えました。記者のつぶやきが聞こえ「シワンのファンだからだな」と言っていたような?
・・・この映画の評価って専門家には何点くらいなんだろう?という疑問を残しつつお昼ご飯を食べに行ったのでした。
「戦場のメロディー」の優しくて男らしい勇敢な戦士役の姿。
「弁護人」のジヌ役。壊れてしまいそうな繊細さ。
以上、強いシワン、繊細なシワンといろんなシワン満載でした。
そしてとても美しかったです。
大満足な「イム シワン祭り」なのでした。
このまとめの記者