コンペティション部門
■『オクジャ(原題:okja)』
☆監督:ポン・ジュノ (グエムルー漢江の怪物ー、スノーピアサー)
☆キャスト:アン・ソヒョン、ティルダ・スウィントン、ジェイク・ギレンホール、ポール・ダノ
江原道の山奥で、ある秘密をもって生まれた巨大な生物オクジャと一緒に育ち唯一の友人であり家族である少女ミジャ。
ある日、突然消えたオクジャをミジャは必至で探し見つけ出すのだが、そこから巨大な事件に巻き込まていく。ミジャは危険をかえりみず、多国籍企業に追われるオクジャを必死に守る姿が描かれている。
韓国・アメリカ合作。
この作品は、ハリウッドのが豪華キャストが出演するだけでなく、製作サイドも注目ポイントです。
エグゼクティブプロデューサーであるブラッド・ピットが代表をつとめるプランB、Netflix、ルイス・ピクチャーズ、ケイト・ストリート・ピクチャー・カンパニーが共同で製作。
まさか、ここでブラッド・ピットが出てくるとは思いませんでしたが、Netflixも加わっているとは。近頃のNetflixせめてますね。
この作品において監督が描いたのは「人と動物のふれあいのなかにある美しさ、そして怖さ」なのだそうです。
製作陣も出演者も豪華なメンバーの登場に期待値は上がりますね。
ただ、この作品は選定された時から物議をかもしだしています。
フランスの劇場で上映されないということで、招待そのものを反対する声もあるということです。そして、来年からは劇場で上映されるものであるという条件ができてしまったのだとか。
そういった点でも話題作となっています。
今の時代、これはむずかしい問題ですね。
■その後(그후)
☆監督:ホン・サンス(豚が井戸に落ちた日、ハハハ、Yourself and yours)
☆キャスト:クォン・ヘヒョ、キム・ミニ、チョ・ユニ、キム・セビョク
出版社に勤めはじめたアルム(キム・ミニ)、その上司であるボンワン(クォン・ヘヒョ)は結婚していながらある女性と最近別れたばかり。そして、彼女を思いつらい思いを抱えていたが、彼のノートを発見した妻は、アルムがその相手であると勘違いするところからストーリーは始まる。
2016年東京国際映画祭上映作品「あなた自身とあなたのこと」ホン・サンス監督作品の「その後」という設定のようです。
では、この作品にまつわる小ネタを少々…
ちょうど、自身のスキャンダルと重なった撮影期間中にはパパラッチに苦しめられたそうです。
まず、キム・ミニはこの作品の前にベルリン国際映画祭で「夜の海辺で一人」で主演女優賞を受賞しています。そしてこの時期に、ホン監督と不倫スキャンダル発覚→記者会見で認める→帰国して「その後」撮影→カンヌ招待!映画でもこんなに忙しくないだろうと思いますが。
おったまげー。
ミッドナイト・スクリーニング部門
■不汗党 悪い奴らの世界(The Merciless)
☆監督:ピョン・ソンヒョン (青春グループ、マイPSパートナー)
☆キャスト:ソル・ギョング、イム・シワン、キム・ヒウォン、チョン・ヘジン、イ・ギョンヨン、ホ・ジュノ、キム・ソンオ
全てを手に入れようと犯罪組織のトップを狙うジェホと世界に怖いものがない覇気あふれるヒョンスの義理と裏切りを描いた犯罪アクション映画。
2107年5月 韓国公開。
世界85ヵ国に事前販売決定です。日本でも公開されます。韓国ではR指定。
以下は、フランスの配給会社のコメントです。
ARPのMichele Halberstadt社長は「不汗党」について、「秀でた脚本、演出、キャラクターが引き立つ緊張感あふれるスリラー映画だ。手に汗にぎる銃撃シーンと予想もできない多くの反転が、映画の魅力を生かしている」とし、「私たちがこの映画を見て感じた戦慄をフランスの映画ファンにも感じてほしい」とし、配給を決定した背景を明かした。
これまでの韓国のリアリティを演出するアクション映画にとらわれない、漫画的なアクション映画になっていると監督がコメントしています。
また、イム・シワンがこれまでのいい人イメージとはまったく違った悪い役とアクションをどう演じてくれるのか見どころのひとつでしょうね。
ちなみに、未生で共演した専務とパク課長もそろってご出演です。
イム・シワンは今回のカンヌへの参加は、良い転機になるのではないかと期待しているとのこと。
今年、入隊を控えている彼にとって、いい贈り物になりましたね。
以下の動画は、VLIVEでの不汗党の制作報告会、インタビューでの出来事。(28分45秒~29分15秒くらいまで)
カンヌへの招待が決まったことへのうれしい気持ちを表現しているイム・シワンです。
あまりのハイテンションぶりにLive視聴者からも、心配のコメントが…
ダイジョブか?
■悪女 (THE VILLAINESS)
☆監督:チョン・ビョンギル (私たちはアクション俳優だ、殺人の予告)
☆キャスト:キム・オクビン、シン・ハギュン、キム・ソヒョン、ソンジュン
中国で殺人兵器として育てられ殺すこと以外学んだものがない最精鋭キラー スッキ。
決して正体を明かせないスッキをめぐる男性2人も絡んだ3人の秘密、そして復讐が繰り広げられる強烈アクション映画。
「アクションマスター」チョン・ビョンギル監督は、国内外の有数の映画祭に招待されており受賞もしています。またキム・オクビン、シン・ハギュンはカンヌ経験者。キム・ソヒョンもマドリード国際映画祭で主演女優賞を受賞するなど、出演者もツワモノぞろい。
キム・オクビンのアクションに期待できそうです。韓国版ニキータといえばイメージしやすいかも。
スペシャル・スクリーニング
■クレアのカメラ(Claire'sCamera)
☆監督:ホン・サンス
☆キャスト:イザベル・ユペール(仏女優)、キム・ミニ、チョン・ジニョン、チャン・ミヒ
2016年5月カンヌ開催中に約2週間で撮影された作品でホン監督の独特な撮影技法が評価されたそうです。
また、ホン監督は、これまでカンヌへは10作品が招待されています。
そして2017年は2本の作品が同時に招待されるという異例の快挙を成し遂げることになりました。
そして、ここでもキム・ミニが出演。
ショートフィルムコーナー
■キム監督
☆監督:キム・ミギョン
☆キャスト:キム・ジェチョル、イ・ソア、キム・ジュンギ、キム・ソンイル
☆上映時間:26分
映画監督志望のミギョンと幼い時から俳優を夢見てきたワンジュンとキムンの3人の飲み会での映画にまつわる話を盛り込んだストーリー。劇的な雰囲気を演出する率直な3人の会話が好評を受けたという事です。
■インタビュー-謝罪の日-
☆監督:べ・ギウォン
☆キャスト:イム・チェソン、イ・ミナ
☆上映時間:10分
再開発地域で繰り広げられる撤去民と用役の間の葛藤を通じて、人間社会の不条理を風刺的に描いたもの。
太田市が支援しており、自治体支援で制作された映画がカンヌへ招待されるのは珍しいことだそう。
他には、「ペクチョン(Hatred)」、「アリ(Ari)」、韓日合作映画「MODERN LOVE」も招待されています。
まとめ
公開前でもあるので仕方がないのですが、カンヌ招待のnews記事でも監督名と出演者くらいしか情報がないものもあったので調べてみました。
さて、今年のパルムドールはどこの国のどの作品が選ばれるのでしょうか?
日本からの出品作品にも注目したいし、レッドカーペットを歩く女優さん達のドレスも楽しみだし。
願わくばいつかカンヌに行ってみたいなどと妄想しながら、カンヌの情報を楽しみに待ちたいと思います。